言えなかったよ。言いたかったよ。



でもさ、言えないよ。


だって、最後だからと思っていたのに、てっぺーが最後だなんて思っていないから。


またパピコを半分こしたり、心霊番組を見たり、いい歳してシーソーに乗ったりする変わらない私たちの未来を、簡単に語ってしまうから。


もうすぐ日が沈む。シーソーを先に降りたのはてっぺーだった。


「じゃあ、俺行くわ」

寂しさで胸がぎゅっとなったけど、私は泣かない。


ここで泣いてすがるような女にはならない。

その代わり、友達の中での一番は誰にも渡さない。


本当は、友達以上になれたらよかったけど、悔しいぐらいてっぺーは彼女とお似合いだし、彼女もすごくいい子だから私にも慕ってくれている。


きっと、私も彼女に負けないくらいてっぺーが好きだけど。


本当は、出逢った時から、ずっとずっと特別だったけれど。


今はまだ、この関係のままでいい。



「綾瀬、またな」


言えなかったよ。

言いたかったよ。


それでも、これはさよならじゃない。


「またね、てっぺー」


笑顔で見送ると、てっぺーは何度も何度も振り返りながら、私の姿が見えなくなるまでずっと手を振っていた。



END

< 7 / 7 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:9

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

青の先で、きみを待つ。
[原題]翼をなくした天使たち

総文字数/116,990

青春・友情198ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
もしも私に翼があったなら 空を飛んで自由になりたいなんて 願わなかった。 私が願うのはただひとつ。 「こんな世界消えてしまえ」 そう思って踏み出した一歩。 その先にあったのは――。 原題「翼をなくした天使たち」 \2022年6月25日 書籍発売/ こちらは改稿前の物語です。 書籍版では大幅に修正しております。 サイトとの違いもお楽しみいただけたら嬉しいです。 よろしくお願いします!!
世にも奇妙な買取屋

総文字数/19,681

ホラー・オカルト16ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
 闇闇商店街にある、世にも奇妙な買取屋  そこにはイチカ♦️とニカ♣️という双子がいて  奇妙な話を買い取ってくれるらしい ♦️「奇妙な話ならなんでもオッケー!」 ♣️「でも、一度買い取った話は僕たちのもの」 ♦️「記憶から消えちゃうから、本当に売りたい人だけ利用してね!」 ♣️「今日はどんな奇妙な話に出会えるかな?」 ♦️「考えただけでワクワクしちゃうわ♡」 ♣️「あ、ほら、お客さんが来たよ」 ♦️「いらっしゃいませ! あなたの奇妙なお話を聞かせてください」
こわいテスト〈社会〉

総文字数/2,818

ホラー・オカルト10ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
こ わ い テ ス ト (10問)

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop