絶対彼氏
1年前の文化祭の時に使用して、そのまま引き出しに入れっぱなしになっていたのだ。


これなら簡単にはほどけない。


「よし、いいなそれ!」


雄大はそう言い、再び洋二の手を背中へと移動させた。


その隙に右手と左手の親指に結束バンドをかけ、固定する。


想像通り、洋二は身動きが取れなくなっている。


念のため、洋二の両足も同じように固定した。


「ガムテープで口を閉じた方がいいよ」


後ろから成美がそう言って来た。


「そうだね。優奈が好きだって言うこんな口、いらないもんね」


あたしはそう言い、ガムテープを手に取ったのだった。
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