絶対彼氏

「洋二……」


あたしはそっと洋二の手を握りしめた。


感情的になっているためか、その手はとても熱い。


けれど、あたしの手を洋二はすぐに振りほどいた。


「ごめん。俺、また誰かを傷つけそうで怖いんだ」


そう言いながらも、洋二はこの場から離れようとしなかった。


自分が弱っている時に誰かにそばにいてほしいと感じる。


それは誰でも同じことだった。