絶対彼氏
自殺
オレンジ色の空を近くに感じた。


風がゆっくりとふいている。


「来ると思った」


屋上でそう言ったのは、優奈だった。


優奈の隣にはあたしが立っている。


手の甲で涙をぬぐい、あたしは2人を交互に見つめた。


「カレンを待ってたんだよ」


あたしが、あたしへ向けてそう言った。


そしてほほ笑む。


あたしが長い事忘れていた笑顔を浮かべている。
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