絶対彼氏
それから返品手続きを済ませると、明日の昼頃配達員が荷物を取りに来てくれることになった。


声を直してから、再びこちらへ送ってくれるらしい。


電話を終えたあたしは段ボールの中にいる洋二を見おろした。


綺麗なうなじに手を伸ばし、そっと触れてみる。


感触は人間の肌となにも変わらない。


洋二のうなじに触れているような気持ちになってくる。


「次に来るときは、もっと洋二に近くなってきてね」


あたしはアンドロイドへ向けてそう言い、段ボールを閉めたのだった。
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