復讐日記
そんなに助けてほしかったら、助けてあげるよ。


あたしは突き刺さったフォークを握りしめた。


まずは、これを抜いてあげないとね。


「やめっ……!」


ミオリが目を見開いた瞬間、あたしはフォークを一気に引き抜いた。


ミオリが悲鳴をあげてうずくまる。


傷口からは次々と血が流れ出し、ミオリの顔を真っ赤に染めて行く。


思わず笑い出しそうになり、必死で口元を押さえた。


剛はミオリの顔が好きで付き合っていたかもしれない。


もしそうだとしたら、これで振られてしまうかもしれない。


……いい気味。


「助けて!」


叫ぶミオリを見おろして、あたしは何も言わずその場を後にしたのだった。
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