色眼鏡
「美羽たちに聞こえるよ?」


「だから、なにが?」


美穂はますますキョトンとした表情になる。


あたしは瞬きをして美穂を見た。


「だって、今言ったじゃん」


「なにを?」


「ありえないって……」


小さな声でそう言うと、美穂は首をかしげた。


「あたし、そんなこと言ってないよ?」


小さな声でそう言ってくる美穂。


「うそ……」


「心の中では思ったけどね。もしかして里菜ってエスパー?」
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