色眼鏡
一番近くで
この眼鏡を作ったのはあたし自身。


なにもかも知った上で作った。


悪魔との契約。


あたしは今日も眼鏡をかけて学校へ行く。


それが、あたしの望んだ結果だった。


「おはよう晃(晃と付き合えばあたしの株も上がるよね)」


美穂があたしを追い越して晃へと走って行くのが見えた。


晃は嬉しそうな顔で美穂に話しかけている。


あたしの胸が鋭く傷んだ。


「どけてよ」


美羽があたしの肩にわざとぶつかり、教室内へと入って行った。
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