色眼鏡
家に戻ってからのあたしはできるだけ明るく過ごした。


あれがお母さんの本心だとすれば、心配されていることになる。


「よかった元気そうで」


テレビを見ていたお母さんがそう言って来たので、あたしは手に持っていたお菓子を落としそうになってしまった。


「……どうして?」


「里菜が1日家にいることなんて滅多にないから、心配したのよ」


「もしかして、イジメられてると思ったの?」


「あら、よくわかったわね」


そう言って、お母さんは笑ったのだった。
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