沈黙する記憶
「それなら、明日はその服を着て昼頃夏男にメールを送るんだ」


「まさか……」


あたしはハッとする。


「Kマートに集合。それでダメなら、終わりにしよう」


裕斗の言葉に心臓がドクンッと大きく跳ねた。


みんな、なにも言わなかった。


明日杏がいなくなった当日を再現して、夏男が何も思い出さなければ終わりにする。


だけど、何か思い出したとしたら……?


「学校、早く行こう」


みんなが沈黙する中、ただ1人夏男がそう言ったのだった。
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