沈黙する記憶
「少し休もうか」


あたしはそう言い、狭い路地を曲がる。


静かな通りへ出るとなんだかホッとして落ち着いた気分になった。


小さな喫茶店へ入ろうとしたのだが、その手前で夏男が立ち止まった。


「どうしたの?」


「あそこ」


夏男が路地の奥へと指を指した。


そちらへ視線を向けてみると、最近できたばかりのゲームセンターが目に入った。


入口は裏と表にあり、裏から見る入口はとても小さく見落としてしまいそうだった。


「あのゲームセンターがどうしたの?」


そう聞くと、夏男はポケットからスマホを取り出し、あたしに見せて来た。
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