沈黙する記憶
さっきから……いや、昨日から裕斗は1人だけやけに冷静だ。


最初はみんなを動揺させないためだと思っていたけれど、友達が1人いなくなってここまで冷静でいられるなんて、考えられなかった。


「白昼堂々の犯行か、それとも杏は夏男の家には来ていないのか……」


ぶうぶつ言いながら、夏男の家の玄関まで歩いて行き、躊躇なくチャイムを押した。


「ちょっと、裕斗!?」


慌てて駆け寄ると「どうせだから夏男にも話を聞いておこう」と、言った。


それならそれで先に言ってほしかった。
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