浮気の定理
桃子もありさも何も言ってくれないけど、みんな胸になにか秘めてるような気がした。



改札口を通りながら、友達ってなんなんだろう?と涼子は思う。



その場かぎりを楽しむ存在?



学生時代の頃なら確実に相談していたことも、環境が変われば、相手に遠慮したり心配かけたくないという思いが先にくる。



言えるギリギリのところまでしか話さないし、こちら側もそれを無理矢理こじあけることはしない。



いつからだろう?大人の分別が邪魔するようになったのは……



昔ならなんでも言い合えたし、困ったことがあれば助けてあげることが出来たのに……



なんとなくしんみりした気持ちになりながら、涼子は自分の家族の元へと帰っていった。
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