浮気の定理
その証拠に涼子はあれからこちら側に踏み込んでこようとはしない。



心配はもちろんしてくれてるのはわかる。



でも涼子から電話が来ることも、定例会でそれに触れてくることも一度もなかったのだ。



もちろんそれを責めるつもりは毛頭ない。



きっと逆の立場でも同じことをしただろう。



相手を尊重して、無理に聞き出そうとしないのは、大人である証拠なのかもしれない。



だから真由みたいな例は稀なのだ。



こちらが拒否してもそれを踏み越えてくるパワーは誰にも真似できるものじゃない。



ましてや家庭をもっているならなおさらだ。
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