浮気の定理
山本にしたって、あれだけ桃子が好きだったのだから、チャンスだと言えるだろう。



この二人なら、私も心から祝福できる。



「ねぇ?真由……」



桃子が少し酔っぱらっているのか、けだるそうな声で私を呼ぶ。



「なあに?」



私がそう答えると、トロンとした目付きで、彼女は私を見た。



「山本のこと……どう思う?」



ここは迷わずプッシュしなくては!



即座にそう思った。



桃子がこのときどんな気持ちだったのかなんて、知りもしないで。


私はただ……桃子に山本が合うかどうかを聞かれてるんだと思っていたから……
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