悪魔の運動会


教室から連れ出されていく、親友。


ただなす術もなく、それを見ていることしかできない不甲斐なさ。


「もう嫌‼︎」


茜が叫んで、うずくまった。


大きく肩を揺らして泣いているのを、相原友子が肩を抱いて励ましている。


周平と茜の泣き声を挟み、俺は拳を握りしめていた。


茜を守る。


そう、健とも約束したのに。


悲しい涙が流れるのを、どうしても止めることができなかった。


どうしても__。



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