3年後、あの約束の続き
仕方ないので、動き出した車内で私は家に電話をかけた。

「もしもしお母さん?今からそっち帰るんだけど・・・」
電話の様子はいつもと変わらない。

「・・・うん、じゃあよろしく」


章が来る事は伏せて、『人を連れて行く』とだけ言った。
おそらく・・・何度か連れて行ったことがある大学時代の友達だと思っているだろう。


「何?おじさんも居るって?」
丁度車が高速道路に入った。
車がどんどん加速している。

「ああ、みんな居るって・・・あ、そうだ」

「何?」

「・・・いや、やっぱいい」

「何?気になる」

「とりあえず運転に集中して」

無事に本線へ合流し、流れに乗る事ができた。

「うちに着いてから、話すよ」



実は-章にずっと黙っていたことがある。
家についてからのお楽しみにしとこうと思っている。
< 142 / 289 >

この作品をシェア

pagetop