3年後、あの約束の続き
「じゃあ新宿着いたんで、また明日。お疲れ様です」
そう言って章は新宿のホームに消えていった。


「渡辺、あいつのことどう思うか?」
新宿で座席が空いたので、橋本と並んで座る。

「仕事はできそうですね。身なりをちゃんとしてる人って仕事ができるし、話を聞いてる限り頭の回転も早そう」

すると橋本が、んー・・・と言って俯き考えている。
何?と言うと、橋本は私を見た。

「渡辺はああいいうやつがタイプか?」

「はあ?!」

何を言ってるんだ橋本。

「渡辺に気がありそうだぞ、瀬崎さん」


「ま、私のタイプかどうかは仕事のデキによりますよ」
嫌らしい愛想笑いを浮かべて言った。


‐タイプどころか・・・好きな人そのものだ、とは死んでも言えないけれど。



池袋に着いた。
橋本は埼京線に乗り換えなので、2人で電車を降りる。

「珈琲でも飲んでく?」
ホームの階段を降りながら、橋本が聞いた。

「遠慮する。明日も仕事だし。じゃお疲れ様」

私は駆け足で改札を抜けて、家路へと急いだ。
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