誓いのキスをもう一度
彼と、誓いのキスをもう一度 (最終話)
俊朗太さんと初めてデートをした。
そのとき、彼が「結婚前提につき合って」と、私に告白してくれた―――。

嬉しかった。本当に嬉しかった。
私がこんな状況下にいなければ、喜んでおつき合いを始めていただろう。もちろん、結婚に向かって。

でも・・・。

俊朗太さんのことは好きだ。
人が好きで、話好きで、気さくで優しくて。
スイーツをこよなく愛するところや、お菓子作りにかける、ハンパない情熱とか・・・。
一見、頼りなさそうな草食系男子なのに、実は面倒見が良くて頼りがいのある兄貴的な漢(オトコ)で。
色白で細身で、少し細めの目にある瞳は、よく見ると明るい茶色な外見は、全部私のタイプじゃないと思っていたのに・・いつの間にか、外見を含めた彼そのものが、私のタイプになってるし。

彼のことは「愛してる」って言っていいのかもしれない。
家族以外の異性に対して、こんな風に「好き」な気持ちになったこと、なかったから。初めて想う気持ちに、戸惑いが少々・・ついていけてないかも・・。

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