Haru Koi
~ 再会 ~
遥哉が手術のために海外へ行って
もう数年が経った。
私は信じて待ち続けた。
もしかしたら成功しなかったのかな
なんて考えた日もあったけど
私は遥哉を諦めることなんてできないんだ

「中山さん、この書類まとめておいてね」

「はい!わかりました。」

私は高校を卒業してすぐ就職をした。
安定した仕事にもつけたし
恵まれた環境で毎日が楽しい。
でも遥哉のことを思い出さない日はない

思い出す度胸が苦しくなる。

もう…会えないのかな…
やっと再会できたのに。
神様は意地悪だよ。

「あ、中山さん!今日は新人の子が来るから案内とか任していいかしら?」

「はい、大丈夫ですよ」

「受付から連絡入るからよろしくね」

新入か~。春だもんな。早いな時の流れって

プルルルルルル

ガチャ

「はい、1Fの中山です」

「新入りの方がいらしたのでよろしくお願いします」

「わかりましたすぐ降ります」

………

「えっと~こちらが新入りの青中 遥哉さん」

…え?青中 遥哉?

「どうも、初めまして。」

「は、初めまして。」

「なーんてな。はじめましてなんて嘘つくなよばか。」

え!?どういうこと!?

「え、次はお前が忘れたのかよ?」

「遥哉…?」

「おうよ。待っててくれたんだろ。言っただろ、成功したら絶対会いに来るって」

「本当に遥哉…?」

涙が止まらない。

「お前がどこで働いてるかわざわざ家の人に訪ねてきたんだよ笑」

………

「おかえり!!遥哉っ!」

ぎゅっ

遥哉が私を抱き寄せた。
遥哉の体温、遥哉の心臓の音、遥哉の声

「ただいま、咲菜。待たせてごめんな」

私待っててよかったんだね。遥哉。

神様は意地悪なんかじゃなかったよ。
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