姉貴は俺のもの

恋人

美奈side



あれから3日だったけど、陸くんはあの女の子のことを私が訊かない限り何も言ってこなかった



「 なんか、飲み物買ってきてやるよ 」



「 ありがと 」



ご機嫌取り。



陸くんがしてくれる一つ一つの仕草が、今の私にはもう

好きだからしてくれてるのか。



あの女の子のことを詮索されないように
している事なのかが分からない。




潮風が頬を掠め、春風の冷たさに身震いする




遠くの方と、砂浜に2人



護衛の暴走族の人たちがいた。



私は夕日に照らされる海を見ながら、上着を着なおす。



まだ教えてもらってないけど、守ってもらう理由に

ひょっとしたら陸くんと私が、恋人としての距離感が必要になる理由があるのかもしれない


…………それは深く考えすぎか。



はぁと息を吐き出し、陸を待った。


「 美奈帆ちゃん 」

「 っ! 」


背筋を虫が張ったような気色の悪さに、

思わず悲鳴を出しそうになる。



「 しっ、静かに。


あいつらに気づかれる 」



あいつら??



私の後ろには松の木しかなくて、その人が言うあいつらとは

陸くんの仲間たちを指すことがなんとなく分かった。




「 やっと会えたね、美奈帆ちゃん 」



誰?



声に聞き覚えはある



けど陸くんみたいに、安心感を覚えるものではない



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