私と貴方

···蛍斗


螢斗・・・

新たな会社での
専務としての仕事は
やりがいがあった。

社長より、助手として
市川まどかさんをつけてもらった。
仕事も出きる綺麗な人だ。

毎日、朝早くから
夜遅くまで
一緒にいるからか
柚子より話をする。

柚子には、無理矢理
仕事を止めて、家にいるように
怒鳴ってから会話が減った。

それは、わかっていたが
仕事も楽しいし
市川がいたら、柚子と話さなくても
困る事はなかった。

家にも、何度も市川を連れていき
飲んだり、仕事をしたりした。

飲み過ぎて、朝目が覚めたら
市川を抱き締めて
寝ていることがあり
ぎょっとすることもあった。

言い訳ではないが
身体の関係はない。

手を繋いだり
キスは····あった·····

だが·····

柚子に悪いとか···
 思ったことは······
   一度もなかった。

俺の中で
 何が起きていたのか·····

 人と話すことも苦手で
 感情をあらわにすることも
 なかったが·····

 自分を認めてもらえて
 やればやるほど仕事も旨く行き
 自信と興奮が体の中に湧き
 本来の自分を見失い
 今のこれが本来の自分だと
 思い込んでいた。
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