優しい人の周りには。
美優side

お墓まいりから帰ってから、熱が出て、苦しくて…
そこからどうなったのか、あんまり記憶がない。
お兄ちゃんが、必死で私の名前を何度も呼んでいた。


重い瞼を開けると、私の腕には点滴が刺さっていて、わたしは病室の中にいるようだった。

「おにい…ちゃん…?」

「あ、美優。目が覚めた?よく眠ってたね、気分はどう?」

「点滴…のおかげかな…楽になったよ…」


「そっか、よかった。今日は点滴が終わったら帰れるみたいだから。あと30分くらいで終わると思うよ。それまで寝てな。」


「うん…。わかった。」
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