イケメン御曹司は一途な溺愛王子でした~愛の重さはヘビー級?!~
「莉々花はまだそうそうこういったお店には来たことないでしょう?」
「はい、初めてですよ」
「マナーはおいおい身につく物ですから、今日はそこは気にせず料理を味わって欲しくてこの部屋を予約したんです。だから、気にせずに楽しんで食事しましょうね?」

やっぱりこの人の気遣いはすごい。
優しく、丁寧で紳士で。
どこにも欠点なんてない。
完璧な現代のプリンス。
なんで、こんな人が私なんかに一目惚れなんてしたんだろう。
不思議でしょうがない。
でも、こんな経験はそう出来ることじゃないから。
玲一さんの言葉に甘えて、今日は楽しませてもらおう。

「はい。フレンチも、こんな夜景の見えるレストランも初めてです。楽しみたいと思います」

微笑んで、返せばそれに返される笑顔は破壊力抜群の甘い微笑みだ。
そう言えば、今日会った時から玲一さんは私への気持ちを隠さず、それこそ分かりやすく言葉や態度に出してくれてた。
今日一日で玲一さんの人柄は把握したと思う。
なので、あとは私の気持ち次第なのだろう。
すぐに答えは出ないかもしれないけれど、こんなに私に向き合ってくれる人だから、私もしっかり向き合って答えを出したいと思う。

今日の楽しかったことを話しながら、美味しい料理を頂いた。

その後はまた玲一さんの車で家まで送り届けてくれた。

「また、デートしてくださいね?次はお買い物ですよ?約束しましたからね?」
「はい、約束ですね。また色々連れていってください。今日はありがとうございました。おやすみなさい」

そう、告げて助手席ドアを開けようとした時……。

「莉々花、ごめん」

そう言うと、玲一さんに腕を引かれていて、次の瞬間唇に暖かく柔らかいものが触れた。
時間にしてほんの一瞬の出来事。

「ごめん。でもこうしたかったんです。僕はこれから全力で貴方に振り向いてもらうべく行動しますので、覚悟してくださいね?」

この日、この言葉と初めてのキスに寝付けなかったのは言うまでもない。
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