イケメン御曹司は一途な溺愛王子でした~愛の重さはヘビー級?!~
「これは、まずいですね。どうするかって、するしかないでしょうね」

その僕の呟きを聞くと、秘書の坪内は

「副社長、こちらまでの書類に決裁頂ければ、本日は退勤いただいて問題ございません」

その書類の山を見る、なかなかの量だ。
しかし、まだ身体の痛む莉々花を一人で帰すなど言語道断。
しかも、一緒に帰らなければ無理したまま僕にご飯まで作り待っているだろう。
そんな事はさせられない。

「分かりました。定時五分前までにこれを終わらせましょう」

そう告げると

「昼食につまめるものをご用意致します」

そう言って一旦執務室を下がった坪内。
そのあとに入ってきたのは第二秘書の有坂さん。

「副社長、少し早いですが昼食に出て参ります。帰りも少し押すやもしれませんが…」
「構わないよ。よろしくお願いしますね、有坂さん」
「かしこまりました」

そうして、有坂さんも執務室を出たあと僕はフルスピードで執務机に積まれた未処理の書類の処理を始めた。
全ては愛しい彼女のために。

そうして予定通りに片付けた仕事の後処理は坪内に任せて、僕は足早に受付用の更衣室前に移動した。

受付は基本定時上がり。
それもあって出勤を許した所もある。
元々それに、合わせて一度迎えに行き莉々花を家に送ってから戻る予定だったが、思わぬフォローも入りそのまま帰れることになった。
うちの秘書が優秀でなによりだ。
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