なれたなら。ーさよなら、私の大好きな人ー




お姉ちゃんの代わりじゃない、私の場所?




お姉ちゃんがいなくなって、私はお姉ちゃんの代わりにと深侑の隣にいた。




それはお姉ちゃんの居場所であって、私本来の居場所じゃない。




3年間、ずっと私の居場所はなかったんだ。




どこかへ消えてしまえるのなら、消えてしまいたい。




今日という日が来る度に思っていた。




でもそれは許されないこと。




許されないのなら、この体が朽ち果てるまで私はお姉ちゃんの代わりとして深侑の隣にいる。




お姉ちゃんの代わりに、深侑の隣で笑っていよう。




でももしこの罪が許されなくても消えることができるのなら…




私はこの思いを隠して、彼の手をとろう。




< 56 / 94 >

この作品をシェア

pagetop