キライ、じゃないよ。

kashi.7





「何やってんだよ、おまえ」


頭にガーゼを当てた山近の姿を見て、呆れてしまった。


「仕方ねぇだろ?やっと出来上がったって勝間から連絡もらってさ。結構舞い上がってたんだなー俺。階段踏み外して真っ逆さま……情けねぇわ」

「まぁ、浮かれる気持ちは分からんでもないけどな」


今日、見せたいものがあると山近から連絡をもらい、アパートまでやって来た俺は、今目の前にいる怪我をした山近に出迎えられた。

結婚を前提に付き合っている2人は、主に幸島の家に山近が押しかける形で半同棲状態だと聞いていた。

今日はあえて山近のアパートに呼ばれたが、これを見せるためだったんだと小さなビロードの箱を目の前にして思った。


「これ、金も時間もかかったんじゃね?」

「体験コースもあるみたいなんだけどな、仕事の休みは香と一緒にいたいしな。1人で動くとなると仕事が終わってからでしか時間なくてよー。ま、勝間が先方に話つけてくれて助かったわ」

「勝間も面倒見いいよな」

「式場の方もな、ちょっと融通利かせてくれるらしくて、ほんと持つべきものは同窓生だよなー。」

「で?幸島には?」

「コレが出来たら改めてプロポーズして、式場の事とか、一気に話詰めてくつもり。もう逃げられたくないんで!」

「……あぁ、昔は振られた理由がわからんっておまえ結構荒れたもんな」

「まぁな」


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