キライ、じゃないよ。
同窓会の二次会はカラオケだったけれど、護は翌日の仕事が早いからと帰ってしまった。

結局まともに話もできず、帰り際だって「じゃあね、バイバイ樫」というアッサリした言葉だけ。

それでも護の連絡先を知ることができたのは、今日の一番の収穫だったといえる。

次に繋がることが出来ただけでも十分だと思った。

山近は、当然というか、ちゃっかり幸島を送って行くからと早々に2人で消えていった。

俺も今日は帰るつもりだったのに、原川や田淵に強引に誘われて気付けばカラオケで好きでもない歌を歌わされていた。

しかも原川と田淵を家まで送ることになってしまって、面倒な事この上ない。

やっと解放されてアパートに着いたのは、深夜2時を過ぎていた。

ヘトヘトに疲れて風呂も入らずベッドに倒れこんだ俺は、翌日の朝にプライベートの携帯に恐ろしいほどの数の無料メールアプリの着信に目眩を起こすことになる。

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