総長様の復讐
「どうしてーーーどうしてなの?


私になんか、用?」


やばい、声が震える。



怖い………だけど、負けたくない。



「君のお兄ちゃんのせいで、好き勝手出来なくなったから、"復讐"しょうと思って。



それにはさあ、大切なモノを傷つけた方がダメージ高いかな、ってさ」



そう、不気味にイヤシイ目を向ける男に私は一歩後ずさる。



「やだ、来ないで‼


どうしてなの?

間違ってるのは貴方よ。


お兄ちゃんが悪いんじゃない‼


間違ってるのはーーーーッッ………」



間違ってるのはーー貴方……。




言わせて貰えなかった。



知らない人の唇が、私の唇を奪った。


い………や……………。


一瞬、ほんの一瞬浮かんだ顔は頼くん。



頼くんに会いたいーーーー。



だけど、もう会えない。


< 124 / 146 >

この作品をシェア

pagetop