いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー
転校慣れにより自己紹介が簡素化されただけなのだけど、クラスメートからはあまりの愛想のなさに「お高くとまっている」とか「性格悪そう」とか「感じワル~い」とか、敵対心を抱かれることもあった。

でも勝子は気にしない。
愛想よかろうが、無愛想だろうが、大人しそうだろうが、活発そうだろうが、そんなことに関係なくクラスメートから悪感情をもたれることがある。

人は自分たちより劣るものを攻撃することが好きだけど、逆に自分たちより目立つもの、優れているものを傷つけることも大好きなのだ。

いじめの種はいかようにも見つけられ、その範囲は実に広い――ということを勝子は次第に学び、感じの良い挨拶なんてものも心がけるのをやめた。
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