いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー

勇との出会い―典子

「勝子!」
帰り際、校門を出ると今日も勝子を呼ぶ声がした。振り向くと白シャツの上に霜降りグレーのパーカー、ジーンズという、いかにものどかな大学生といった男子が手を振っていた。
「今度は勇君か――あ、もしや強ちゃんから頼まれた?」
「正解!」
まるで好青年代表のような爽やかな笑顔。
「みんな心配しすぎ」だと言うと、「お前が心配されるようなことばかりするからだろ。転校早々なにやってんだよ」と返され、勝子はムッとする。
「なにもやってないよ。それより勇君、講義ないの? そんなに暇なの?」

都内の某有名大学に通う勇は勝子とは2歳違い。
同じ小学校出身で、勝子が4年生で勇が6年生の時に知り合い、超武道塾にも通っている。
小学生の頃は背も低くて勝子より弱々しかった勇だが、今は身長180センチ、少年のような笑顔からは予想できない筋肉をまとうスポーツ男子に成長した。
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