青春の蒼い花
退屈な日々に

隣の席


「お~い、白石!
数学の課題、あっこれこれ。ここの問題教えてくれない?」



高校一年生の二学期が始まってから二週間目に入る。


当たり前の学校生活が再び戻ってきて、憂鬱でしかない。


こうして隣の席の高津勇心が私に課題のノートを見せてくれとせがんでくるのも当たり前になってきている。


「嫌だ」


私がそう言うとチェっと少し拗ねる高津の顔を見ることにちょっとだけ楽しみを覚えていた。



「お、やっぱり見せてくれるんじゃん。
白石は頼りになるよな〜。俺って幸せもんだ、白石の隣だなんて。いつもありがとう!」


そう言って私の頭をポンポンとしてくる。


また、馬鹿にしやがって。




七月の席替えから隣の席にいるコイツは何かと私に絡んでくる。


何でかは知らない。



ただ、友達の少ない私には関わりのない存在だと思ってた人物であった。


それなのに、隣の席になってからは
休み時間は席を立たずに私にどうでもいい話をしてくる。

私に冷たくあしらわれるのが面白いだけなのかもしれない。


初めは鬱陶しい奴だとおもっていたけど、私も次第にコイツには気を許すようになってきた。




パシン


「勝手に頭とか触らないでよ」


「おっ、怒った怒った。
白石ってさ、いっつも俺には怒ってるよな。ツンデレなの?」


「は?あんたに対してデレの要素なんて見せたことないけど?」


「ちょ!どこ行くんだよ」


「トイレですけど?
ついてこないでね、変態さん」




最近はこんな風に言い合いになることも多い。


その分、周りの仕打ちは大きくなっていった。





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