青春の蒼い花

2度目の告白・黒

カリカリ…


文字を書く音だけが聞こえる。


「あ、待って。そこ違う。」


問題を間違える度にたく兄の顔が近くなり、
たく兄の息や体温が伝わってくる。


それだけだドキドキして、集中なんてできない。


「ねえ、蒼衣聞いてる?」


「…え、あ、ごめん。もう1回教えて?」


「仕方ないなー」



お兄ちゃんは教え方が上手で、

わからない問題を聞くと、すぐに解き方を教えてくれる。



でも、やっぱり
たまにするたく兄のあくびや

教えるのに飽きてきたら私のベッドでゴロゴロし始める姿に

意識が持っていかれ、ドキドキしっぱなしで疲れてしまう。



「はあー」


「もう疲れたのか?
一旦休憩にするか。」


まだ数学を20分ほどしかしていないが、合間の休憩を挟んだ。


< 68 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop