エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
グーーッと鳴り響いた私のお腹の音だった。

紅茶のお陰でリラックスできたのか？　東條さんと色々話していくうちに緊張が解れたのか？　私の空腹を知らせる音がその場に鳴り響き、恥ずかしすぎて私はうつむいた。

「す、すみません……」

「君は心も体も本当に素直だな。そろそろ食事にしようか？」

クスクスと笑いながら、東條さんが部屋の内線からコンシェルジュにケータリングを頼んだ。


「いただきます…」

それから三十分あまり。

コンシェルジュによって届けられた美味しそうなお寿司を東條さんと向かい合わせで食べ出した。

「お、美味しい……」

「気に入ってくれて良かった。本当はここのお店の握り立ての寿司を君に食べて欲しかったんだか、今度ゆっくり食事に行こう。今日は君といろいろと込み入った話をしたくてね」

「込み入った話ですか？」

東條さんのそんな言葉に思わず、箸が止まった。

いったい何が東條さんの口から語られるのかとついつい身構えてしまう。

そして、東條さんがゆっくりと話し出した。

それは東條さん自身が抱える秘密と葛藤の話だった。
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