綺麗なブルーを描けません

新しいこと

× ×
月曜日、会社に着くと、いきなり応接室に呼ばれた。

先に待っていると、ドアが開いて、

緊張して構えていると、入って来たのは上司じゃなく、柊くんだった。

あれからどうなったのか、全く知らない。

友達だけど、女の子の友達みたく、マメに連絡を取り合う訳じゃないから。

「柊くん、大丈夫だったの?」

思わず、立ち上がって、走り寄る。

そばまで行くと、すごく穏やかな表情を浮かべてて、

「うん」

何が『うん』だよって思った。

自分で訊いといて、こんなとこで薄っすら聞ける話じゃないだろとも思った。

「うん、じゃわかんないんですけど」

でも、柊くんの表情は変わらなくて、

ちょっとイラッってした瞬間、ドアが開いて上司が現れた。

ああ...

だから何にも言えなかったのか。

< 39 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop