センパイの嘘つき


…なんて、なにを気取っているのだろう、私は。


だって、騙したのは私だ。


分からなかった。好きなのか、好きじゃないのかも。


それなのに、勝手に変な正義感に駆られて、言ったんだ。


私と付き合ってください、なんて。


最低なことをしたんだ。


でも、だから。言わなきゃ。


終わらせたくない。一瞬の夢になんてしたくない。


ちゃんと謝りたい。謝って、もう一度言いたい。


あなたが好きだって。断られても、何度も。


それくらい、もう私の中は先輩でいっぱいだ。

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