亡霊
俺が廊下に出ると、精神科医の医師と看護士が出てきた。


「君、松浦さんに会って行くかい?」


えっーーーでも、さっき。


「だけど、さっき面会謝絶って」



そう、莉乃に確かにそう言った。


確かに聞いた……。


シッ、と、人差し指を出す。


手招きされ、来た場所は相談室だった。


「あの、どう言うーー」



「莉乃さんをアミさんに会わせる訳には行かないんだよ」


それってーーー


「莉乃さんが、アミさんを殺そうとした首謀者なんじゃないか、と思う」


「そんな訳ーー!?」


だけど、、


「なんで死んでないの?」



あの言葉が離れない。


離れてはくれない。



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