亡霊

黒髪の女ーー

学校の帰り道。


私は、歩と歩いた。


「いつも、ありがとうね」


「莉乃。俺は、莉乃が、心配だ。


絶対に守るからな」


私は、頷いた。



近づく歩の顔ーーー



合わさる唇と唇。



不意に感じる視線。



振り向く間もないキス。



だから、気づかなかったーーー



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