天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



「……他の男のことなんか考えられないくらい、俺でいっぱいにするから」


もうとっくに……天ヶ瀬くんでいっぱいなのに。

そんなことを知らない天ヶ瀬くんは、わたしの首筋にチュッとキスを落とした。


「ちょっ……」

抵抗しようとすれば。


「動くと痛いよ」


っ……何それ。
そんな声が聞こえて、思わず動きを止めた。

だけど、天ヶ瀬くんは嘘つきだ。


首筋にチクリと痛みが走った。

その瞬間、天ヶ瀬くんのシャツをギュッと握った。

最後に軽く、ぺろっと舐められた。


「う、嘘つき……っ」

「痛かった?」

ずっと首筋に埋めていた顔を上げたときには、フッと余裕そうな笑みが飛び込んできた。


痛かった……だけど、甘い。

胸がキュッと縮まって、身体が一気に熱くなった。

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