守りたい人【完】(番外編完)

「え、っていうか、これ一体誰が?」


素朴な疑問を浮かべた私を見て、目の前に座っていた鍛冶君がニヤリと笑う。

その姿を見て、まさかと目を見開く。


「鍛冶君が!?」

「俺の仕事はウェブデザイナーやで?」

「凄い! プロみたいです!」

「いや、だからプロなんやて」


キャーッと騒ぐ私を見て、鍛冶君が苦笑いを浮かべる。

だって、いつも調子のいい事ばっかり言ってるから、こんな凄いもの作れるなんてビックリ。

朝比奈さんも、驚いたようにパソコンの画面に魅入っていた。

そんな私達を満足そうに見つめた鍛冶君が、再びニヤリと笑う。


「最近はSNS映えするような場所が若い子の間で人気や。一つでもそんなものを作って、ネット上で話題になれば後は勝手に人が寄ってくる」

「――」

「そうすれば、この町もここも活気が出てくるんちゃうか?」


その言葉に、一気に胸の奥がワクワクしだす。

ウズウズと胸の奥が騒ぎだして、自然と笑顔が零れた。

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