守りたい人【完】(番外編完)
志穂ちゃんとは保育園から、ずっと一緒。
といっても、この小さな町には保育園も小学校も1つしかない。
中学校は近くの小学校と合わせたものになるけど、それでも2クラスしかない。
同級生とは家族のように仲が良い。
大袈裟に言えば、生まれた時から一緒。
もちろん、志穂ちゃんとも仲が良かった。
家が近い事もあって、いつも一緒に学校に行って、家まで帰っていた。
志穂ちゃんは、昔から何でもソツなくこなして、頭も良かった。
テキパキと勉強も身の回りの事も片付けて、ノロマな私が片付くのをじっと待っていた。
それでも、文句を言った事は一度もない。
いつもニコニコしていて、忙しい両親の代わりに家事を手伝ったりと、私から見ればスーパーマンみたいだった。
お母さん譲りのフワフワの髪に。
お父さん譲りの、少し垂れた目。
愛らしいその姿は男子からも人気で、高校に上がった時は他校の生徒からも告白されたりしていた。
いつしか、私はそんな志穂ちゃんに憧れていた。
私もいつか、志穂ちゃんみたいに可愛くて、頭もよくて、要領のいい女の子になりたかった。