クールな御曹司の契約妻になりました
ようやく寝ぼけ眼で見つけた時計を引き寄せて確認した瞬間に、私は飛び起きた。

「えぇっ!?お昼過ぎ?!」

時計はもう正午をとっくに通り過ぎている。
千裕さんとの結婚生活で、こんな時間に起きたことなんて一度もない。

千裕さんはきっと一人で朝の支度を整えて、とっくに仕事に出かけたに違いない。


『職務放棄だ』

そんなことを口にしながら静かに睨みつける秘書の成松さんの顔が頭に浮かんできて、一気に青くなる。

一人で素っ頓狂な声をあげて、体にかけていたブランケットを引き剥がすように急いでベッドから起き上がった私にさらに災難が降り注ぐ。

「ひゃぁっ!!って、えっ?!何で?!」

もう頭は大パニックだ。
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