クールな御曹司の契約妻になりました
「香穂、もしかしてあなた、マリッジブルー?」

「まさか、そんなことあるわけない!!」


マリッジブルーだなんて……。

飲もうとしていたコーヒーを吹き出しそうになる。



「それなら、どうしてそんなに浮かない顔しているの?」

久しぶりに会ってもやっぱりお母さんは私のことが分かっているのだろう。

お母さんの質問に、本当の事情を話したいと思う衝動に駆られながらも、私は無理矢理口角を上げて笑って見せる。


「わ、私、その記事もう何度も読み返したから、なんだかもう飽きちゃった」



ははは……


「そう、それならよかったわ」

私の答えに安心した様子で、お母さんは微笑む。


どうしてこんなことになってしまったんだろう


私の頭の中には、その言葉ばかりが浮かんでいたのだけど……。

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