クールな御曹司の契約妻になりました
「頂いてもいいんですか?」
「あぁ、もちろん」
千裕さんが私の言葉に一気に花が咲いたように笑顔になる。
「香穂。俺たちもう一度、今から始めないか?契約なんて辞めて……」
千裕さんの言葉に鼻の奥がツンとする。
「ハイ。私で良ければ」
「香穂が良いんだ」
2人で思わず吹き出してしまった。
「でも、どうしてマリッジリングじゃなくて、エンゲージリングなんですか?」
ふと気になったことを気が付くと、千裕さんは少し気まずい表情を浮かべる。
「この間無理矢理抱いてしまったことや椎原さんの事件があって、香穂が契約結婚を辞めたいと言ったら『離婚』という形で香穂のことを解放しようと思っていたんだ」
『離婚』
何度も胸の中でその単語が反芻する。