クールな御曹司の契約妻になりました
「新婚の夫婦が、別宅に棲むなんてありえない。それこそ、マスコミに何を書かれるかわかりません」


確かに……。

「もちろん寝室は社長とは別です。香穂さんの個室は準備してありますのでご安心ください」


「ありがとうございます」

「そういうわけで求人票にも書いていた通り、家具家電付きの社宅です。勤務地もここ。家政婦業務つまり家事も必要最低限はお願いします。」

成松さんの言葉は妙に説得力があり、ぐうの音も出てはこない。



この家が、今日から住む場所で、勤務地になるんだ。

もう引き返すなんて出来ない。


私はぐっと拳を力強く握り、自分を奮い立たせた。


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