クールな御曹司の契約妻になりました

季節の野菜が品よく並べられた八寸をスマホのカメラに収める私を千裕さんは楽しそうに眺めている。

「最近、香穂の写真の腕が上がったって、昨日成松と話しているところだった」



『今日は旦那様と久しぶりのディナ―。京懐石の可愛らしい料理に心が弾む』

写真とともにコメントをつけ、早速自分のSNSにアップしようとしていた私の手が驚きで止まってしまう。


「私のSNSチェックしているんですか?」

「もちろん。香穂のSNSは会社の広報活動の一環だからな。しっかりチェックしている」


驚いた私の表情に千裕さんは少しだけ肩を揺らしながら笑って見せて、冷酒を一口口にする。


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