君とチョコと花束と


「あの、いま私の席探してて、どこか教えてもらえませんか?」



「こっちこっち。」



そう言うと渡辺くんは教室の端の後ろから2番目の席に手をついて、



「ここだよ。吉岡の席は。」



と笑顔で教えてくれる。





「ありがとうございます!」



「別にいいってことよ!俺さ、出席番号最後で、余った席なんだよね〜。」



私が席に着くと、渡辺くんも後ろに座って話だして、



「隣もいねーし、前の子はずっと休みだしちょっと寂しかったんだよな。だから吉岡が来てくれて嬉しい!仲良くしてくれなー。」




「こちらこそよろしくお願いします。」




「あ、あと敬語も禁止。同級生なんだからタメで喋ろうぜ?」



手でバツを作る渡部くん。



「そうですね、あっ、うん。そうする!」




私がそう言うと彼はニカッと笑った。




後ろの席の子がフレンドリーな子で良かった。




< 3 / 18 >

この作品をシェア

pagetop