闇を抱える蝶と光輝く龍

晴斗の過去

私は一旦部屋に戻り、みんなからの連絡を待った


すると


♪~


あ、きたきた


メールを見ると夢蝶の四人からで


翔は〈舜を足止めしました〉

と書いてあって



快と類は同じような内容で〈桐人(尚)を足止めしたよ。(ぞ)〉

と書いてあって


雪は〈陸をマークしとく〉

と書いてあった



よし!これで晴から話し聞けるね


私はひとつ深呼吸してから晴の部屋に向かった


コンコン


晴の部屋をノックしたけど


‥‥‥‥


あれ?反応ないな


コンコン


もう一度ノックするけど


‥‥‥


またもや反応がない


もしかしてどっか行ったのかな?


試しにドアノブを回すと


ガチャ


あ、空いてる


中を覗くと明かりもついていた


居留守してたってことか


「晴ー?結衣だけどー?入っていい?」


聞こえるように少し大きめに言うと


晴「……いいよ」


小さめに答えてくれた


あまりにも小さかったから聞き逃すところだった


「お邪魔します」


そう言い私は晴の部屋に入った


晴は椅子に座り何やら飲み物を飲んでいた


晴「どうしたの?ゆーちゃん?こんな遅くに一人で出歩いたら危ないよ?」


晴はこっちを向かず前を向いたまま言った


明るく言ったつもりみたいだけどいつもの笑顔がなかった


「晴…今日お兄さんに会ってから元気ないし、笑顔にすらならないからなんか放っておけなくて様子見にきたの」


そう言うと


晴「ありがとう。心配してくれて。でも、大丈夫だから」


そんな寂しそうな声で言われてもね


「じゃあ何で寂しそうなの?」



晴「………」



「本当は一人で居るの嫌なんでしょ?」


晴「………」


あ、晴黙っちゃった。


少しの沈黙のあと


晴「ゆーちゃん。僕の過去聞いてくれる?」


晴は私の方を向いて言った


「私でよければ、聞くよ?」


すると晴は真剣な目をして話し出した

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