闇を抱える蝶と光輝く龍

蘇る感情

【結衣said】


私は喧嘩の音を部屋の中で聞いていた


収まるまで出るなとあいつに言われたから


はぁー。暇だな


自由も幸せもない日々を過ごしたせいか今の私は皆との思い出が薄れかけていて名前しか覚えていない状態になっていた


早く終わらないかな


私は一人でのんきにそんなことを考えていた


しばらくするといきなり音がなくなった


ん?終わったのかな?


私はあいつに言われたことを忘れ部屋を出て


廊下を歩いた


すると光が見え近付くと声が聞こえた


桜「全く。いつまで待たせるの?そろそろ演技にも飽きたよ。相原くん」


この声は…お母さん?


なんであいつのこと相原くんって呼ぶんだろう?


するとあいつは


相「わりぃな。桜。まさかここまでとは思ってなくて正直予想外だったよ」


あいつもお母さんのこと桜って呼び捨てだし


そして私は衝撃な事実を知った


相「フッ…。状況を把握してないみたいだからいいこと教えてやろう。俺と桜は…愛人関係だ」


…は?


あいつとお母さんが愛人関係?


あり得ない


桜「今までのこと思い出してみて?結衣の過去に母親のことが一度でも出てきた?母親がどうなったか聞いたことある?」


私の本当のお母さんのこと?


でも、物心ついたときにはもういなかったし


あいつからは“訳あって遠くで暮らしてる”って言ってたからどんな人か知らない


桜「なんで聞いてないかと言うと、それは…結衣の記憶に母親との思い出がないからよ」


そのとおりだけど。なんでお母さんがそれを知ってるの?


さらに私はまた衝撃なことを知った


桜「結衣は、相原と私の間にできた子どもよ。まぁ、分かりやすく言うと愛人の子ってことよ。で、その時私はもう結婚してて慶も生まれてたから結衣のことは相原くんに任せたの。だから結衣は誰が自分の母親か分からないまま育ったの」


じゃあ、私のお母さんはずっとそばにいたってこと?


その後もあいつはお母さんと協力して三国組を潰して私に相原組を継がそうとしてたと言った
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