闇を抱える蝶と光輝く龍

本当の真実

それから数時間後―


ザワザワ


類「あれ?下煩くなってない?」


快「先代来たのか?」


翔「でも、いつもは先代来たらすぐ下っ端が呼びに来てたよな?すぐ来ないなんて今までなかったし」


確かに翔の言う通りだ


それに先代来たからといってザワザワすることもなかった


暁斗さんはあんまり来てないけど、葵さんと咲哉さんは時々来てたし。連絡なしにね


だからおかしい。ザワザワするってことが


どういう事か考えていると


ガチャ


葵「結衣待たせたなって洸龍もいたのか」


咲「そういや同盟組んだってこの前いってたな」


葵さんと咲哉さんが入ってきた


洸龍がいることに驚いていたけど


葵「それで結衣、陽菜のことだが。電話でも言ったがあれはお前のせいじゃない。俺たちが油断したから悪かったんだ」


「…違います。私があの時出掛けずに護衛の人が来るまで待つように言ってれば」


咲「いや、お前止めようとしたんだろ?なのに陽菜が女の子同士で出かけたいとか言い出して少し強引にショッピングモールに連れてこられたんだろ?だったら陽菜にも非があるしお前が悔やむ必要はないだろ?」


あれ?私そんなに詳しく話したっけ?


出掛けたことは話したけど、どんな成り行きで行ったとかどこに出掛けたとかは話してないはず


「…咲哉さん、その話誰から聞いたんですか?」


咲「誰からって結衣から―」


「私はそんなに細かくは話してません。陽菜姉さんと出掛けたことしか言ってません。成り行きやどこへ行ったかは話してないです。なのに、何で知ってるんですか?」


私が咲哉さんを見つめたまま言うと


葵「はぁ。だから黙っていろって言ったんだよ。お前はすぐボロが出るから」


咲「悪かったな!すぐボロが出やすい奴で!」


咲哉さんはなぜか逆ギレしてた


「葵さん。どういう事ですか?話が見えないんですけど」


私がそう言うと葵さんはひとつ息を吐いた後私に視線を移した


葵「結衣、陽菜は……
















生きている」



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